北アルプスの不帰で、行方不明になっていた登山者が8日ぶりに救助されたというニュースがありました。
この事故について、以前に現場周辺のパトロールをやっていた方が事故原因についての考察を書いていました。
これを読んだ4日後にちょうど現場を通る予定があったので実地に確かめてみました。結果としては、道迷いの現場はブログに書かれていた所でほぼ間違いないだろうという感想でした。
北アルプスの不帰で、行方不明になっていた登山者が8日ぶりに救助されたというニュースがありました。
この事故について、以前に現場周辺のパトロールをやっていた方が事故原因についての考察を書いていました。
これを読んだ4日後にちょうど現場を通る予定があったので実地に確かめてみました。結果としては、道迷いの現場はブログに書かれていた所でほぼ間違いないだろうという感想でした。
「登山は基本的に自己満足の世界」...それでもなぜ、一流クライマーによる"疑惑の登山"はなくならないのか? | 山はおそろしい | 文春オンライン
「登山家と嘘」というテーマでインタビューされました。
このなかで、インタビューアーの中村計さんがこんなことを語っています。
現代の先鋭的登山を書くときの最大の壁は、その挑戦がいかに大変かを一般読者に伝えることがとてつもなく難しいということだと思うんです。
これはまったくそのとおりであって、これまで私も、どうしたら伝わるのだろうかといろいろ模索してきました。
模索の結果、私が多用しているのは、野球や格闘技などのスポーツに例えるという手法。たとえば栗城史多さんについて書いた記事では、栗城さんを「大学野球の平均的選手」に例え、栗城さんが目指していたエベレスト北壁を「メジャーリーグ」とすることで、実力と目標の乖離を表現しようと試みました。
昔であればこんな面倒なことをする必要はありませんでした。エベレストが登られていない時代は、究極の目標はエベレスト初登頂であり、そこにどれだけ近いかによって登山家の価値は決まる――ということは、野球や格闘技にたとえるまでもなく、誰にでも理解できる話だったからです。
ところが今は、先鋭登山の課題は多様化・細分化し、その評価は専門家でも容易ではありません。エベレスト北壁の登山史的価値を正確に評価できる人は、登山業界でも多くないのが実情です。そこに「無酸素」とか「単独」とか「冬期」とか「新ルート」などの各種条件が加わるとなおのこと。ましてや、登山をやらない一般読者にわかるはずもないでしょう。
そこで私は、野球や格闘技になぞらえることでわかりやすくする手法をとることにしたわけです。ただしこれはあくまでイメージを伝えるためのもので、多少の不正確性には目をつぶっています。「栗城さんのレベルは大学野球ではなくて高校レベルなのではないか」とか、「登山と格闘技は別物である」などと言われることもありましたが、そういうことではないんだ! 小さな正確性よりも大きなイメージを伝えることを優先した結果なので、細かいところを突っつかれても困るw
学者のコメントで、正確性を重視するあまり、素人には結論がわからないということがよくありますよね。「状況によって一概にはいえない」とか。確かにそのとおりなんでしょうが、私たち素人が知りたいことは細かくて厳密な事実ではなく、大きな枠組みなのです。学者や専門家は、事実の正確性にこだわるあまり、大きな枠組みを示してくれないことがよくあります。私はこれがいつもストレスに感じるので、自分が説明するときには伝わりやすさやわかりやすさを優先しています。
ところで最近、このあたりのことを説明するには、先鋭登山をスポーツに例えるより、学問や科学に例えるほうが適切かもしれないと思うようになりました。専門家以外にはなかなか内情がわからないところとか、メディアでもてはやされる人の本業の実態がよくわからないところとか、似ているなと思うのです。ノーベル賞やピオレドールで何が評価されたのかはわからないけど、受賞者がすごい人であることは想像できるとか。
そんなことを考えていると、先鋭登山は専門的になりすぎて蛸壺化しているなとも思えてきました。ただしだからといって、ごく一部の専門家やマニアの嗜みに過ぎないかというと、そうでもないんですよ。素人にはどうでもいいようなわずかな違いにこだわって工夫や切磋琢磨を続けてきた結果、登山は少しずつ前に進んでいるのです。
たとえば無酸素登山というのは、人類の可能性を広げる大きな一歩だったわけですが、そこに至るまでには、無数の登山家の死屍累々といえる試行錯誤が背後に存在します。そうした多くの蓄積を土台として、ときおり大きなイノベーションが起こる。そんなところも学問に似ているかもしれません。
服部文祥さんが、「登山の文化にフリーライドしている」と言って栗城さんを批判したことがありました。「無酸素」とか「単独」とかの言葉を使うなら、その言葉が意味する正しい手順を踏めと。登山史が長年かけて獲得してきた成果を自分の箔付けだけに使って、実態は適当にスルーするのではただのズルじゃないかということですね。
とりとめがなくなってきました。
最後に、先鋭登山の評価基準となるものをざっくりと説明しておきます。
1)どれだけ困難なことをしているか
2)新しいことをしているか
大きくはこのふたつです。
1は、技術的な難しさ。だれもが登れなかった困難な岩壁を登りきったとか、クライミンググレードの世界最高を更新したなどのことですね。技術的な困難を克服したということは単純に評価の対象となります。
2は、山の初登頂が典型例となります。だれも登ったことがない山に登ることは間違いなく新しいこと。ほか、酸素ボンベやロープを使うことが常識だった山で、それらを使わずに登ることも「新しいこと」です。だれも注目していなかった山を見つけ出して登ることもこれにあたります。
先鋭登山の総合評価は1+2で決まります。技術的に困難でも新しい要素がゼロであれば総合点は伸びませんし、その逆もしかり。例えれば、1は技術点、2は芸術点といった感じでしょうか。また雑な例えをしてしまいましたが、まあ、そんな感じです。以上。
2021年から登山でスマートウォッチを使い始めて以来、すっかり凝ってしまって、今では6本も所有するようになってしまった(導入第一号だったOPPO Watchは人に譲ってしまいました)。
そもそもは、「腕時計で地図を見たい」という動機だけで導入したのですが、使ってみると、心拍数や移動スピード、移動距離などが測れたり、睡眠の状態を計測してくれるなど、身体の状態を数値で確認できることが楽しくなり、現在では登山に限らず24時間365日身に付けている状況です。
過去にも以下のような記事を書きました。
T-REX2 | GTR 4 | |
定価 | 35,800円 | 33,000円 |
サイズ | 47.1 x 47.1 x 13.65 mm | 46×46×10.6mm |
重量 | 66.5g | 60g |
ケース素材 | ポリマー | アルミ合金 |
耐衝撃性 | MIL規格 | ー |
防水性 | 10気圧 | 5気圧 |
操作 | タッチパネル/ボタン | タッチパネル |
ディスプレイ | AMOLED 1.39インチ | AMOLED 1.43インチ |
GPS(GNSS) | 5 | 6 |
センサー | 3.0 | 4.0(最新) |
OS | 1.0 | 2.0(最新) |
駆動時間 | 24日 | 14日 |
GPS駆動時間 | 最大58時間 | 最大52時間 |
ついにGarminウォッチを導入。Fenixは高すぎる&重すぎるので、同等機能で軽量コンパクトなForerunner955をチョイス。
— 森山憲一 (@kenichimoriyama) January 26, 2023
○地図が見られる
○各種センサーの精度が高い
○アプリ高機能
△バッテリー持ちもうひとつ
×タッチ操作もっさり
×操作性複雑 pic.twitter.com/q6o96bpmhR
GPSには厳しい都心のビル街で測定してみたところ。青線がGarmin 955、赤線がAmazfit GTR4、黒線が実際に歩いたライン。けっこう差が出ました。このへんはさすがGPSの本家。
— 森山憲一 (@kenichimoriyama) January 26, 2023
ただし山での実用精度としては大きくは変わらない印象です。 pic.twitter.com/Hezyh0ghaH
Amazfit GTR4はこれ(シリコンカバー付けてます)
— 森山憲一 (@kenichimoriyama) January 26, 2023
×地図は見られない
△センサー精度はそこそこ
△Garmin 955より機能少ない(そのぶん使い方簡単)
○バッテリー持ち良い
○タッチ操作サクサク
○画面見やすい
○価格安い pic.twitter.com/TfvJF91f0o
以上より
— 森山憲一 (@kenichimoriyama) January 26, 2023
Garmin 955 中上級者向け
Amazfit 初中級者向け
という感じかな。
普段からランニングなどもやる人は955、
日常生活でも使いたい人はAmazfit GTR4、
ともいえると思います。
「ロクスノ」はなぜつまらなくなったか|Tomahawk
ニトリがなんと約3000円という破格のテントを販売しています。
近ごろはAmazonなどで中国製の格安テントが多く販売されていますが、それでも6000~7000円くらいはします。約3000円というのはさすがに聞いたことがない。
これを見つけた知人がこうツイートしていたのを見かけました。
誰かこれで厳冬期北アルプスとか行ってみてほしい https://t.co/Mr0w4h0G61
— KANJI (@K931201K) February 19, 2023
興味を引かれた私はすぐさま反応。
了解
— 森山憲一 (@kenichimoriyama) February 19, 2023
なにしろ3000円であります。使えなくてすぐ捨てる羽目になっても惜しくない金額。その場でポチって注文してみました。
早速届きました。ホームセンターなどで売っているキャンプ用品でよく見るような箱入りでした。
まずはスペックをチェックしてみよう。
フロアサイズ:短辺120cm×長辺200cm
天井高:110cm
重量:約1.4kg
付属品:張り綱4本、ペグ8本、収納袋
サイズ的には1~2人用といったところ。フライシートはなく、いわゆるシングルウォール設計です。天頂部に小さな「屋根シート」なるものが付いていますが、これはフライシートとはいえないでしょう。
箱から出してみるとこんな感じ。細長い収納袋にテント本体とポールが入っています。下は付属の張り綱とペグ。ペグは格安キャンプ用品によくある、曲げただけの丸鉄棒。
テントのフロア部分はブルーシートのような素材でした。昔、アメリカで8000円くらいで買ったコールマンのキャンプ用テントが同様な仕様でした。ちょっと硬くてガサガサするので収納性が悪いですが、防水性とか耐久性はとくに問題ありません。
ポールはこんな感じ。グラスファイバーのロッドを金属製の継ぎ具で連結させるタイプ。これも格安コールマンと同じ仕様なので個人的にはなじみがあります。
重量を測ってみたら1.34kgでした。カタログスペックは1.4kgなので、公称より軽いということになります。重量的にはアライテントの定番品「エアライズ1」と同じくらいなので、この手の格安テントにしてはかなり優秀。登山で使えるレベルの重さに抑えているといえます。
ただしこのままだとパッキングしにくいので、手持ちの収納袋に替えて、同時にしょぼいペグも手持ちの軽量なものに交換しました。
やって来たのは3月中旬の八ヶ岳・黒百合平。標高は約2400m。テントを入手してからすぐに出かけることができなかったので厳冬期ではなくなってしまったし、北アルプスでもないけれど、まだまだ雪山という環境なのでまあいいでしょう。
ちょうど天気がよく、ほぼ無風でもあったので、日中は暖かさすら感じるほどだったのですが、日が陰ると急速に冷え込み、最低気温は-10℃ほど。
オーソドックスなクロスポール構造で、フライシートもないシングルウォールなので設営は簡単なのですが、少々問題も。テントのスリーブにポールを通す際、継ぎ具が引っかかりやすくてスムーズに通せないのです。これはこの形式のポールあるある。設営時に風が吹いていたりして余裕がない状況だと、けっこうイラつくポイントでしょうね。
一方、普通の登山用テントのポールはこういう段差のないスムーズな表面になっています。工作コストがかなりかさむと思うのですが、そうすることでスパッと一撃でポールを通せるので、コストをかけるだけの価値はあるというわけです。
天頂部はひもでポールを結んで固定。登山メーカーのテントはフックをかけるだけなどのワンタッチになっていることが多く、ここもやはり格安ならではの使い勝手の悪さが出てしまうポイントです。
テントのサイドウォールには「PAIR DOME TENT Montagna」という文字が。Montagnaというのはブランド名? それとも製品名? と思って調べてみたらこんなページが。ロゴが同じなので、作っているメーカーはここだと思われます。この会社がニトリに納品しているということなのでしょうか。
これが天頂部に付く「屋根シート」。なんでこんなパーツが?
内側から見ると、テント本体の天頂部はメッシュになっています。ここから雨が直接居室内に入ってきてしまうので、屋根シートはそれを防ぐ役割を担っているわけです。
テント内部はこんな感じ。横幅が120cmあるので、ソロで使うにはかなり余裕があります。荷物が多くなりがちな雪山登山でも問題なし。靴を中に入れても邪魔にはなりません。