現在所有しているスマートウォッチ。左から、Amazfit T-REX2、Amazfit GTR4、Amazfit Stratos3、Garmin Forerunner 955、TicWatch Pro 3 Ultra、Amazfit Band7。Amazfitが多いですが、T-REX2とGTR4はメーカー提供品
2021年から登山でスマートウォッチを使い始めて以来、すっかり凝ってしまって、今では6本も所有するようになってしまった(導入第一号だったOPPO Watchは人に譲ってしまいました)。
そもそもは、「腕時計で地図を見たい」という動機だけで導入したのですが、使ってみると、心拍数や移動スピード、移動距離などが測れたり、睡眠の状態を計測してくれるなど、身体の状態を数値で確認できることが楽しくなり、現在では登山に限らず24時間365日身に付けている状況です。
山では比較テストのためにもっぱら両手時計スタイル。「ケイスケホンダのようだ」と同行者に言われました。
過去にも以下のような記事を書きました。
登山で使えるスマートウォッチを研究したい
【スマートウォッチレビュー】Amazfit T-REX 2は登山で使えるか
これがAmazfit GTR4(社外品のカバー付けてます)
これはT-REX2と同様、メーカーからの提供品。とくにアウトドア仕様というわけではないので関係ないかなと思っていたのですが、登山で使ってみたところ意外と使いやすいと感じたので以下レビューします。
GTR4は、Amazfitの核となるいちばんメインのモデル。定価はT-REX2のほうが上になるのですが、Amazfitブランドの本流王道を受け継ぐモデルとなると、こちらGTR4といえるでしょう。
外観はまったく普通の腕時計に見えますが、内部的にはT-REX2と同等で、使える機能はほぼ同じ。以下、主な仕様を比較してみます。
| T-REX2 | GTR 4 |
定価 | 35,800円 | 33,000円 |
サイズ | 47.1 x 47.1 x 13.65 mm | 46×46×10.6mm |
重量 | 66.5g | 60g |
ケース素材 | ポリマー | アルミ合金 |
耐衝撃性 | MIL規格 | ー |
防水性 | 10気圧 | 5気圧 |
操作 | タッチパネル/ボタン | タッチパネル |
ディスプレイ | AMOLED 1.39インチ | AMOLED 1.43インチ |
GPS(GNSS) | 5 | 6 |
センサー | 3.0 | 4.0(最新) |
OS | 1.0 | 2.0(最新) |
駆動時間 | 24日 | 14日 |
GPS駆動時間 | 最大58時間 | 最大52時間 |
T-REX2と比べると、耐衝撃性と防水性、そしてバッテリー性能がやや劣るのですが、本体がコンパクトながら画面が大きくて見やすいところがメリットといえます。デザイン的に日常ユースがしやすいところも利点といえるでしょう。
以下、特によいと感じた部分を解説してみます。
薄いことは重要だ
センサーの突部を含む厚みは、実測でGTR4が12.8mm。一方、T-REX2は15.8mm。数字で比べてもあまりピンときませんが、山での使用上、GTR4の薄さはけっこう重要に感じました。
こうして比べてみると、数字以上に厚さの違いがよくわかると思います。
薄いことがなぜいいかというと、ひとつは、袖に引っかかりにくくなること。
寒い時期は腕時計は服の袖で覆っていることになるのですが、時計を見ようと腕を上げたとき、厚い時計は袖に引っかかりやすいのです。山用のウエアは、袖口がゴムシャーリングになっていたりベルクロが付いていたりすることが多いのでなおさらです。この引っかかり、行動中にはわりとストレスです。
T-REX2は厚めであることに加えてゴツッとしたデザインなので比較的引っかかりやすかったのですが、GTR4では明らかに引っかかることが減りました。
もうひとつのいい点は、体感が軽くなること。こちらは、Garmin Forerunner 955との比較をご覧ください。
バンドを含まない本体重量はどちらも35gで同等。しかしGarmin 955は厚さがあるぶん、重心が腕から離れるので、GTR4より振られや重さを感じます。さらにGarmin 955は写真でわかるように角張っているので、ここが袖に引っかかりやすい。
この薄型ボディ、使用時の快適性にかなり貢献していると感じます。薄いこと大切。
ディスプレイが見やすい
GTR4のディスプレイサイズは1.43インチ。これは現行のスマートウォッチのなかでは最大級。スマートウォッチは画面に表示される情報が多くなるので、ディスプレイは大きいほど有利で、このへんはスマートフォンと同様です。
T-REX2も1.39インチと大きめで不満はなかったのですが、GTR4はそれよりさらに見やすい印象。
こうして写真で見るとそれほど大きさに違いを感じませんが、フィールドで使った印象では、T-REX2より見え方がひとまわり大きく、ディスプレイサイズ0.04インチの差は感じられました。
登山中はそんなにまじまじと画面を見つめるわけではないので、ちらっと見ただけで必要な情報がわかる視認性の高さはGTR4の便利な点と感じています。
気負わず使えるスマートウォッチ
薄いこととディスプレイが大きいこと以外にも、GTR4は最新のセンサーやOSを積んでいるなど、T-REX2より進化している点があります。しかしそれらは実用上、体感できるような差はありませんでした。
バッテリー持ちについては、スペックどおり、T-REX2のほうが長持ちします。1泊2日の登山で使った場合、T-REX2は30%ほどしかバッテリー残量が減りませんが、GTR4では40%ほど減ります。とはいえ、充電なしで5日程度の山行に対応する計算なので、ほとんどの場合はこれでも十分でしょう。
ということで、日帰り登山などでは、気軽に使えるGTR4を持ち出す機会が最近は増えています。T-REX2は、パネルタッチだけでなく物理ボタンでも操作できるという優位性もあるので、手袋をしている時期や雨のときなどの使いやすさを考えると、やはりT-REX2のほうがなにかと安心ですが、気負わずさっと使えるという点ではGTR4も悪くありません。
山ではカスタムして使おう
ところで私は、GTR4を山で使ううえで、2点、カスタマイズをしています。
ひとつはカバー。登山では、岩にこすったりして腕時計はけっこう傷つきます。T-REX2みたいなアウトドア時計はキズがついてもそれがひとつの味となってあまり気にならないのですが、GTR4みたいなクリーンなデザインの時計は気になります。
そこで、Amazonで見つけた以下のカバーを付けるようにしました。これ、着脱が簡単なのに装着時はしっかりフィットしていい感じです。山でGTR4を使うならおすすめ。
もうひとつのカスタムポイントはボタン。
公式ページを見ていただければわかるように、GTR4のボタン(竜頭)は本来、右上に付いています。しかし、右側に付いていると山では不都合な場合が少なくありません。
こういうふうに岩などに手をついたとき、手の甲でボタンが押されて意図しない操作が行なわれてしまうことがあるのです。
そこで私は、画面設定で表示を180度反転させて、ボタンが左下にくるようにして使っています。
これだと不意にボタンが押されて誤操作されることがなく、ストレスなく使えるようになりました。こういうのはスマートウォッチならではの利点です。ただし、この画面反転設定ができないスマートウォッチもあるので、そこはご注意。
Amazfit GTR4、日常から登山まで1本のスマートウォッチですませたいという人には、けっこういい選択なのではないかと思います。地図を見たり、GoogleやAppleなどのアプリを追加したりすることはできませんが、そのぶんシンプルで使いやすいです。私の持っているスマートウォッチのなかでは、操作のスムーズさ、安定性、スマホアプリの使いやすさなどはベスト。機械としての完成度が高いと感じています。
【付録】
以前、Garmin Forerunner 955とGTR4を比較したツイートをしていたのでご参考までに。
商品提供記事でも、GPSが弱いことなどきちんと比較していて参考になります。他では、提灯記事かスペックだけを見て書いている事が多いので。
返信削除ある程度の価格で、きちんと使えるものをというのは、私の思いともつながり非常に参考になります。今後とも良い記事をお願い致します。
オフライン地図機能を新たに搭載した
返信削除Amazfit T-Rex Ultra
のレビューも是非お願いします。
https://www.amazfit.jp/products/amazfit-t-rex-ultra。
https://s.kakaku.com/prdnews/cd=keitai/ctcd=7745/id=131706/
テスト中ですので少々お待ちください。
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