ページ

2020年4月28日火曜日

感情に訴えかける言葉は難しい

【この記事は玉城デニー知事を批判する意図はまったくないことを先にお断りしておきます】


「収束後に笑顔で沖縄を訪れてください」玉城知事、GW訪問自粛を再度呼び掛け - 毎日新聞


このニュースをテレビで見ていた妻が「笑顔で訪れてくださいはおかしくない?」と言いました。私はとくに気にしないで見ていたのですが、言われてみればそのとおりだ。


これは、コロナウイルス感染拡大防止のため、ゴールデンウイークに沖縄に来ないでほしいと玉城知事が訴えるコメントを報じたものなのですが、その前の文章を含めるとこう言っています。


”どうか今は来沖を我慢していただき、沖縄に帰省することを控えていただき、収束後には是非、笑顔で沖縄を訪れてください。”


妻が言うには、「笑顔で訪れてください」ではなく、「笑顔でお迎えしたい」というべきだと。沖縄に来ないでほしいということに重ねて、笑顔で訪れてほしいとまで要望するのはやや傲慢に聞こえてしまうというのです。



「どうか今は来沖を我慢していただき、沖縄に帰省することを控えていただき、収束後には是非、笑顔で沖縄を訪れてください。」

 ↓

「どうか今は来沖を我慢していただき、沖縄に帰省することも控えていただけないでしょうか。収束後には必ず、笑顔でお迎えすることをお約束いたします。」



確かに後者のほうが爽やかで好感度が高く聞こえる。


まあ、私は気づかなかったくらいで微妙な違いではあるのですが、気づく人は気づくし、聞く人に与えるニュアンスの違いがあることは確か。


日常の会話ではどちらでもいいような違いですが、要望やお詫び、センシティブなテーマのときなどには、こういう微妙な違いに気を配れるかどうかが、問題の解決を左右することもあります。私はお詫び文を書くときには、助詞は「が」がいいのか「を」がいいのかレベルで吟味することもあります。それによって人に与える印象が変わってしまうこともあるからです。


たかが言葉ですが、されど言葉。自分も言葉を扱う者として気をつけたいところです。





*テレビのニュースでは、上記のコメントしか放映していませんでしたが、実際は玉城知事はそれに続いて「その時は最大限の『うとぅいむち』、おもてなしで皆様をお迎えさせていただきます」と言っていたそうです。玉城知事はおそらくこのへんのニュアンスの違いをある程度意識していたであろうことと、報道の切り取りの危うさを感じました。


0 件のコメント:

コメントを投稿