倉上慶大さん佐藤裕介さんが十一面岩の「千日の瑠璃」のワンデイワンプッシュに成功しました。スタイルはチームフリースタイルで1P 5.12 PD 佐藤、2P 5.13c R 佐藤、3P 5.14a R 倉上、4P 5.13d R/X 倉上、5P 佐藤、6-7P 倉上とのことです。— 瑞牆ガイドブック管理人 (@MizugakiPump) 2016年4月26日
昨年来、このブログでも何度も書いた瑞牆山モアイフェースのルート「千日の瑠璃」が完全版として登られました。4月23日に、下から全ピッチ通して登ったそうです。
初登として報じられた昨秋は、ピッチごとに区切ってそれぞれ別の日に登っていました。考えてみればこれは、ボルダリングの「ムーブばらし」に成功しただけで、「つなげ」はまだだったともいえるのです。
ピッチごとの成功でも「ルートの完成」として認められるにもかかわらず、「つなげ」にこだわった倉上くんの執念にあらためて敬意を表します。この歴史的なルートをピッチ完登で終わらせなかった意味はとても大きく、とくに今後に続くクライマーに大きなメッセージとなったはずです。
パートナーの佐藤裕介が昔、錫杖岳の「しあわせ未満」というルートをフリーで初登したときに、ピンクポイントで終わらせずにレッドポイントするまで通い続けたことに感心した覚えがあります。プロテクションの事前セットをしないレッドポイントこそ、「下から上に登る」クライミングの根本思想を体現したスタイルと思ったからです。
今回のワンプッシュクライミングにも同じこだわりを感じました。リスクの高いクライミングでこのこだわりを貫くのは、相当の覚悟がいることだと想像します。でもそれを貫き通したからこそ、ルートの完成度は飛躍的に高まったわけで、だからこそ「大きなメッセージ」になったと思うのです。
道を切り拓いたものが勇気をもって最後までやり通したのに、続くものがハンパなことをやるわけにはいかないと。
【追記】
ワンプッシュ完登時の動画がありました。核心ピッチです。フォローですが十分壮絶。
0 件のコメント:
コメントを投稿