2016年3月11日金曜日

孤高のクライマー・森田勝


ICI石井スポーツの新宿東口ビックロ店で、クライマー森田勝氏を語るイベントがあったので行ってきました。


ちょうど『PEAKS』の連載で森田氏をとりあげたばかり。使っていた道具の展示や過去の写真なども見られるというし、なにより森田氏はICIのアドバイザーを務めていた過去がある。そのICIの方が語るというので、いろいろ深い話が聞けるんじゃないかと思ったわけです。


森田氏というと、頑固一徹な偏屈クライマーの代表格のように見られています。そのイメージが強烈で、小説『神々の山嶺』の主役のひとり羽生丈二のモデルになっています。





しかし誌面でも書いたのですが、それはどうも佐瀬稔というノンフィクション作家が書いた『狼は帰らず』という本のイメージにすぎないらしいのです。


実際の森田氏はもうちょっとまともだったという人も多く、実際、イベントで話をされたICI登山学校の東秀訓氏も、「森田さんはまじめな人で、アイデアマンだった」と語っていました。


佐瀬氏の本は読ませる力があり、読み物として面白いのだけど、叙述がドラマチックにすぎて、等身大の人物像からは離れてしまう傾向があるのかもしれない。森田氏の奥さんが本をあまりよく思っていなかったというような記述をどこかで読んだ覚えもあります。人を書くというのはなかなか難しいですね。




会場には、森田氏が考案して実際に使っていた靴が展示されていました。いちばん手前の伝説のクライミングシューズ「EBスーパーグラトン」。これ、森田氏がはじめに目を付けてICIで日本に輸入し始めたそうです。知らなかった! 


真ん中と奥の靴は、森田勝考案の登山靴。真ん中は独特のシューレースシステム、奥は毛皮のゲイターが靴に直接付いているところが、森田氏独特のアイデアだったそうです。これ、東氏も言っていたけど、真ん中はスポルティバ・スパンティーク、奥は同じくオリンポスにそっくり! 森田氏に先見性があったというか、スポルティバがパクったというか・・・?


あまり記録を残していない森田氏だけに、知らない話ばかりで面白かった。ネットでたまたま見つけたイベントだったのだけど、こういうイベントもいいですね。






1 件のコメント:

  1. 森田さん、ルフォックのダブルを履いていたからね。
    当時、真ん中の靴のシューレースを見た時、その影響だと思いました。

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