私がクライミングをやりたいと思ったきっかけになった人物に会うことができました。
谷川岳衝立岩の初登攀者、南博人さんです。
上のサインを書いてもらった『谷川岳』(瓜生卓造著)という本を学生時代に読んで、「おれも谷川岳に行きたい!」と強烈に感化されたのがそのきっかけです。
この本のクライマックスとなっているのが衝立岩初登攀のくだりで、その主役が南さんだったのです。
とくに印象に残っているのが、衝立岩を登り切ったところを描写するこの一節。
「南の唇は紙のように乾き、口内は気味悪く粘っていた。彼は横を向いて唾を吐いた。真赤な血の塊りだった。彼は肩をすぼめた」
カッコいい! おれも衝立岩の頂上で血の唾を吐きたい!
と、シビれてしまったのです(その後いまに至るも衝立岩は登れていませんが)。
言ってみればわがアイドル。
御年84歳ですが、アイドルはアイドルなのです。
実際にお会いする南さんはとてもあっけらかんとした人柄で、
「気負い」というものが全然感じられないのです。
日本のクライミング史を語るうえでは欠かせない人なのですが、
伝説のクライマー的なえらぶったところがまったくありませんでした。
私は当然、「本当に血を吐いたのですか?」と、25年来の疑問をぶつけたのですが、
「ぼくは扁桃腺が弱いようでね〜、無理すると血が出ちゃうんだよ」
とのこと。
扁桃腺でしたか……。
もうひとつ重要なことを聞きました。
南博人は「みなみ・ひろんど」と読むとされ、
そのようにルビがふってある山岳書がたくさんあるのですが、
「いやいや、ぼくの名前は『ひろと』。『ひろんど』というのは、新田次郎さんの小説でしょ」
南さんは新田次郎の小説『神々の岩壁』に実名モデルとして登場しています。
そこでは「ひろんど」と書かれており、いつのまにかそれが本名として広まってしまったということなのです。
私もこれまで「ひろんど」と書いてしまったことがあるような気がします。
山岳関係者諸君、これからは「ひろと」と書くように!
初めまして岩原と申します。
返信削除私が南博人さんと出会ったのが5年前?丸沼高原のサマースキ
ー場です。
仙人の様な風貌で滑ってました。興味があったので話したのが
きっかけで今もブログを通じて交流しています。
南博人さんが、伝説のクライマーとして新田次郎の小説「神々
の岩壁」の実名モデルだと聞いてびっくり!
ワゴンの赤いボルボで冬も車中泊してる78歳の元気なおじいさん・・・。当時の目標は一級より上のテクニカル、同時にマスターズのレースで表彰台を目指して貪欲に練習されていました。クライマー当時から工夫や研究をすると知り納得、知る限りでの拘ってる趣味は、絵画・料理・ブログなどなど
一番の魅力は生き様が凄い・・・ご存知でしょうが「絵とエッセイを楽しむ 南 博人のホームページ」がブログのタイトルです。http://hirochan373.cocolog-nifty.com/hirochan/
文章はプロ並みの表現で読むのが楽しみです。
1962年(昭和37年)春、山とスキー専門店「渋谷みなみ」を民家のガレージを改装してOPENしたのが始まりだった。
後にガレージもろとも渋谷の土地、家屋を購入。
株式会社となると共に、店名は「山洋スポーツ」に変えた。
登山靴、ザック、ゲイター、カラビナ、ハンマー、ザイル等数々の登山用具を開発。特に手作りの登山靴は評判が高かった。
女性登山家の田部井 淳子氏が初めてエベレスト登頂成功時に使用された靴は準備段階で依頼を受け、当時考えられる靴作りの全ての技術、素材を惜しみなく、知人の靴職人に助言し作成された。
お願い
返信削除ブログの左中央に「カテゴリー」を見て頂ければ伝説のクライマーから今は人生のクライマーとして挑戦を続けています。
森山さんから見て今の南さんの生き様が取材の対象の方でしたら検討願います。
小説「神々の岩壁」の裏話やあの時伝えられない思い出など含めて取材して頂ければ幸いです。
2012/12脳梗塞で2週間の入院
2013/04/22日スキーの許可
2014/09前立腺癌末期と診断
2014/11前立腺癌との戦い(天然抗ガン物質IP6との出会い)
2015/03人体実験/スキー断念
末期癌で、医者に反対して、悪化しても文句の言うところは無
いが。これで悪化しても本当のクライマーだった私は悔いなし。
http://hirochan373.cocolog-nifty.com/hirochan/2015/03/post-07ab.html
よろしくお願いします。
岩原
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返信削除gan gan gan ganさん、こんにちは。
返信削除いま出ている「PEAKS」(8月号)は読まれましたか?
南さんと池田功さんの対談記事が出ています。
ライターの寺倉力さんという方が手がけた記事で、
いろいろ興味深いことを記事中で話されています。
寺倉さんによれば、これでも対談で話したことのさわりくらいしか量的に載せられなかったらしいですが。
写真も雰囲気があるので、書店でぜひ見てみてください。
森山さん お返事ありがとうございます。
削除「PEAKS8月号」今、読み終えたところです。
56年前の事を鮮明に記憶しているのですから凄いですね!