要は、広告っぽく見えず、前後の記事や流れに「自然になじんだ」広告ということらしい。
これがインターネット上で熱い議論になっています。
まずはこんな意見。
ネイティブアドよ、死語になれ。
これに対する反論的なもの。
男・徳力基彦、ネイティブ広告の時代の勘違い野郎共に物申す
「インターネット広告推進協議会」というところがあって、そこが一定のガイドラインを作ろうという動きがあるそうですが、なかなか利害は一致しないようです。
「ネイティブ広告」の推奨規定、JIAAが新たに策定
僕は主に紙媒体で仕事をしているのだけど、「他人事ではないな」と注目しています。
雑誌でもよくある「タイアップ記事」というのは、要はネイティブアドだからです。
ここ10年くらい、登山雑誌でもメーカーなどがお金を出して特定の商品のPRを目的とした記事が増えました。
それを「タイアップ記事」と呼んでいます。
15年前は登山雑誌にはほとんどなかったのだけど、10年くらい前からどんどん増えています。
そして一般記事との「なじみ具合」もどんどん進んでいるような気がします。
で、上のリンクなどで議論されているのは、そういう記事には「PR」とか「広告」というクレジットを明示すべきか否かということなのですが、こと登山雑誌ではそうしたクレジットが入っているものは見た記憶がありません。
僕のようなプロ(という言い方もなんですが)が見るとだいたい「ああ、これはタイアップだな」とわかるのですが、なかには「ちょっとわからない」というものもあります。
内容や文体から「タイアップくさい」と思えるのだけど、「ちがうかもしれない」という微妙なものもあるわけです。
今の時代、一般読者もそこはけっこう見破っているんじゃないかとは思うのですが。
この問題に関しては僕も意見はあるのですが、それ以前に、ネット上の議論を見ていて思ったのは、「うらやましい」ということでした。
なにがうらやましいかというと、ネットがです。
雑誌でも週刊誌や経済誌は「PR」クレジットを入れることが定着しているけれど、趣味系の雑誌にはそんなガイドラインはほとんどありません。女性誌なんてタイアップの総本山みたいな存在だけどなにかあるんでしょうか。
雑誌はそんな感じで、業界的・統一的な議論が巻き起こる機運がほとんどありません。
出版業界や登山界ってのは良くも悪くも個人主義が強くて、横断的な議論をしようとか知識やノウハウの共有をしようというムードがすごく薄い世界なんですよね。
それはつまらないと個人的には思っていて、だから、業界あげて熱く議論を戦わせるネットがうらやましいと感じたわけです。
この流れはそのうち雑誌にもおよんでくるはずだし、無関係ではいられないという危機感に近い思いもあって、出版界も考えておく必要があると思っているのです。
ついては自分の意見についても書いておこうと思ったんですが、長くなりそうなので次回に。
「ついては自分の意見について書いておこう」楽しみにしています。
返信削除たまよ
たまよさん、ありがとうございます。ご無沙汰しております(ですよね?)
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